日本では毎年、多くの人がインフルエンザに感染し、統計では 約10人に1人 が発症すると言われています。
「手洗い・うがい・マスク」が一般的な予防の基本ですが、実はそれに加えて “口腔ケア” がインフルエンザ予防に大きく効果を発揮する ことが、近年の研究で明らかになっています。

特に有名なのが、東京歯科大学が介護施設で行った研究です。
高齢者に対し、歯科衛生士による専門的な口腔ケア(歯垢の徹底除去、舌清掃、義歯のケア、口腔保湿など)を行ったグループと、通常ケアを行ったグループを比較したところ、
インフルエンザの発症率が約10分の1に抑えられたという結果が示されました。
これは、口の中の環境がウイルス感染と非常に深く関わっていることを表しています。
なぜ口腔ケアがインフルエンザ予防につながるの?___
●口腔内細菌がウイルスの侵入を手助けする
口の中には数百種類の細菌が存在し、その中には プロテアーゼやノイラミニダーゼ という酵素をつ くるものがあります。
これらの酵素は粘膜の表面を壊し、ウイルスが細胞に付着しや すくなる状態を作り出してしまいます。
特に冬は口が乾燥して唾液が減るため、細菌が増殖しやすくなり、ウイルスが侵入しやすい環境が整 ってしまうのです。
●歯磨きで細菌が減れば、感染リスクも下がる
歯磨きや舌クリーニング、歯間清掃を行うことで細菌数が大幅に減り、
その結果、酵素の働きも弱まって ウイルスが体内へ入り込みにくくなる と考えられています。
特に効果が高いのが、
“朝起きてすぐの歯磨き” 。
睡眠中は唾液が減り、細菌が最も増える時間帯なので、朝の口腔内は細菌が大量に増えている状態です。
起床後すぐの歯磨きは、感染予防の面でも非常に理にかなっています。

● 日常でできる口腔ケア
• 歯ブラシだけでは落ちにくい汚れには
→ 歯間ブラシ・デンタルフロス・マウスウォッシュ を併用
• 舌苔(舌の汚れ)は細菌の温床
→ 専用の舌クリーナーで優しく1日1回
• 冬の乾燥は細菌増殖の原因
→ こまめな水分補給、鼻呼吸の意識を
• 定期的な歯科検診や歯周病ケア で細菌コントロール強化
●歯科衛生士による専門的口腔ケアの重要性
家庭では落としにくい汚れや義歯周りなど、丁寧にケアを行えるため
専門的口腔ケアを受けることで細菌の量を大幅に減らすことができます。
特に高齢者や基礎疾患がある方、免疫力が低下しやすい方にとっては、
インフルエンザ予防として非常に大きな効果が期待されるケア です。

●まとめ
口腔ケアは清潔のためだけではなく、
インフルエンザの感染予防や重症化予防にも効果がある と科学的に認められている心強い習慣です。
手洗い・うがいに加えて、
毎日の歯磨きや舌清掃、そして定期的な専門ケアによって、
「インフルエンザに負けないお口の環境づくり」 を整えていきましょう☺

