
「しゃくれが気になるけど、矯正で治るの?」「費用はどれくらい?」そんな疑問を抱えている方は少なくありません。しゃくれ(下顎前突)は見た目の問題だけでなく、噛み合わせや発音にも影響を及ぼすことがあります。本記事では、しゃくれの原因から治療法、費用・期間、子どもと大人の違いまで、矯正治療の専門家が徹底的に解説します。
◆ しゃくれとは?受け口との違いを正しく理解しよう
しゃくれと受け口は混同されがちですが、厳密には異なる概念です。正しく理解することが、適切な治療への第一歩となります。
しゃくれの定義
しゃくれとは、下顎(あご)の骨自体が前方に突出している状態を指します。医学的には「下顎前突症(かがくぜんとつしょう)」と呼ばれ、骨格そのものに原因がある状態です。横顔を見たときに、下あごが目立って前に出ている外見的な特徴があります。
受け口の定義
受け口は、上下の前歯の噛み合わせが通常と逆になっている状態を指し、「反対咬合(はんたいこうごう)」とも呼ばれます。正常な噛み合わせでは上の前歯が下の前歯の前に出ますが、受け口では下の前歯が上の前歯よりも前方に位置しています。
しゃくれと受け口の違い比較表
| 項目 | しゃくれ | 受け口 |
|---|---|---|
| 原因 | 骨格(下顎骨の突出) | 歯並び(前歯の噛み合わせ異常) |
| 医学用語 | 下顎前突症 | 反対咬合 |
| 外見的特徴 | 下あご全体が前に出ている | 下の前歯が上の前歯より前にある |
| 主な治療法 | 外科手術+矯正治療 | 矯正治療(歯列矯正) |
| 矯正単独での改善 | 困難な場合が多い | 可能な場合が多い |
【監修者コメント】小池凌馬 院長
「しゃくれ」と「受け口」は一般的に同じ意味で使われることが多いですが、治療方針を決める上では明確に区別する必要があります。骨格に原因があるのか、歯並びに原因があるのかによって、治療のアプローチがまったく異なります。当院では精密検査(セファロ分析・CT撮影)を行い、お一人おひとりの原因を正確に特定した上で最適な治療計画をご提案しています。
◆ しゃくれの原因|骨格性と歯性の2タイプ
しゃくれの原因は大きく分けて**「骨格性」と「歯性」**の2タイプがあります。それぞれの特徴と発症メカニズムを見ていきましょう。
骨格性の原因(骨格性下顎前突)
骨格性のしゃくれは、下顎骨自体が過度に成長している、もしくは上顎骨の成長が不足していることが原因です。
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遺伝的要因:両親や祖父母にしゃくれの傾向がある場合、遺伝する確率が高くなります
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成長期の顎の発育異常:思春期に下顎が過度に成長するケースが見られます
-
上顎の成長不全:上顎の成長が不十分なため、相対的に下顎が前に出ている状態
歯性の原因(歯性反対咬合)
歯性のしゃくれ(受け口)は、顎の骨格自体に問題はなく、歯の傾きや位置のズレが原因で起こります。
-
上の前歯が内側に傾斜:上の前歯が舌側に倒れていることで、下の歯が前に出ている状態
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下の前歯が外側に傾斜:下の前歯が唇側に突出しているケース
-
乳歯期の噛み合わせ異常:乳歯の段階で反対咬合が生じ、永久歯にも影響するケース
後天的な原因・習慣
遺伝的要因のほかに、以下のような後天的な習慣もしゃくれの原因となり得ます。
| 習慣・要因 | しゃくれとの関係 |
|---|---|
| 口呼吸 | 舌の位置が低下し、下顎の成長を促進する可能性 |
| 舌癖(舌を前に押し出す癖) | 下の前歯を前方に押し出す力が継続的にかかる |
| 頬杖 | 顎の成長方向に影響を与える可能性 |
| 下顎を前に出す癖 | 長期間の習慣化で顎の位置が変化する |
| 指しゃぶり(長期化) | 上顎の発育に影響し、相対的な受け口を招く |

◆ しゃくれの治療法|矯正・外科手術・マウスピース矯正を比較
しゃくれの治療法は原因やその程度によって異なります。ここでは代表的な3つの治療法を詳しく解説します。
ワイヤー矯正(表側矯正・裏側矯正)
ワイヤー矯正は、ブラケットとワイヤーを歯に装着し、歯を正しい位置へ移動させる治療法です。歯性の受け口に対して高い効果を発揮します。
表側矯正(ラビアル矯正)
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歯の表面にブラケットを装着する一般的な方法
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幅広い症例に対応可能
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費用:60万〜130万円
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治療期間:1〜3年
裏側矯正(リンガル矯正)
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歯の裏側にブラケットを装着するため、装置が目立たない
-
費用:100万〜170万円
-
治療期間:1.5〜3年
マウスピース矯正(インビザラインなど)
透明なマウスピース型の装置を定期的に交換しながら歯を動かす治療法です。近年の技術進歩により、軽度〜中等度の受け口にも対応できるようになっています。
-
透明で目立ちにくく、取り外しが可能
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食事や歯磨きに支障が少ない
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費用:部分矯正 30万〜40万円 / 全体矯正 70万〜120万円
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治療期間:1〜3年
-
1日20〜22時間以上の装着が必要
外科的矯正治療(顎矯正手術)
骨格性のしゃくれで矯正治療だけでは改善が難しい場合、顎の骨を外科的に切除・移動させる手術が必要になります。
下顎骨切り術(SSRO / IVRO)
-
下顎の骨を切り、後方に移動させる手術
-
全身麻酔下で行い、入院期間は1〜2週間
セットバック手術
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下顎の骨を切り、歯列ごと後方に下げる手術
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骨格性の重度なしゃくれに対応
サージェリーファースト
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先に外科手術を行い、その後に矯正治療を行う方法
-
早期に顔貌の変化が得られるメリットがある
治療法の比較表
| 治療法 | 適応 | 費用相場 | 治療期間 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|---|---|
| 表側ワイヤー矯正 | 歯性の受け口 | 60万〜130万円 | 1〜3年 | 幅広い症例に対応 | 装置が目立つ |
| 裏側ワイヤー矯正 | 歯性の受け口 | 100万〜170万円 | 1.5〜3年 | 装置が目立たない | 費用が高い |
| マウスピース矯正 | 軽度〜中等度の受け口 | 30万〜120万円 | 1〜3年 | 透明で目立たない・取り外し可能 | 重度の症例には非対応 |
| 外科的矯正治療 | 骨格性のしゃくれ | 自費100万〜250万円 / 保険適用30万〜50万円 | 2〜3年(矯正含む) | 骨格から根本改善 | 手術リスク・入院が必要 |
【監修者コメント】小池凌馬 院長
当院ではインビザライン「レッドダイヤモンド・プロバイダー」として30,000件以上の矯正治療実績がございます。受け口の患者さまに対しても、マウスピース矯正で対応できるケースは非常に多くなっています。ただし、骨格性の要因が強い場合には外科手術との併用が必要となるため、精密検査で正確に見極めることが何より大切です。まずは無料カウンセリングでお気軽にご相談ください。
◆ しゃくれ矯正の費用と期間|治療法別の目安
費用の詳細比較
しゃくれの矯正治療は基本的に自由診療(自費)となりますが、顎変形症と診断された場合には健康保険が適用されるケースがあります。
| 治療法 | 費用目安(税込) | 保険適用 |
|---|---|---|
| 表側ワイヤー矯正 | 60万〜130万円 | 顎変形症の場合のみ |
| 裏側ワイヤー矯正 | 100万〜170万円 | 不可(自費のみ) |
| マウスピース矯正(部分) | 30万〜40万円 | 不可(自費のみ) |
| マウスピース矯正(全体) | 70万〜120万円 | 不可(自費のみ) |
| 外科的矯正(自費) | 100万〜250万円 | – |
| 外科的矯正(保険適用) | 30万〜50万円(3割負担) | 顎変形症の診断が必要 |

保険適用の条件
しゃくれの矯正治療に健康保険が適用されるためには、以下の条件を満たす必要があります。
-
「顎変形症」と正式に診断されること
-
**厚生労働省が指定する「顎口腔機能診断施設」**で矯正治療を受けること
-
連携する指定医療機関で外科手術を受けること
-
矯正装置は表側の唇側矯正装置を使用すること
治療期間の目安
| 治療法 | 治療期間の目安 | 通院頻度 |
|---|---|---|
| ワイヤー矯正(歯性) | 1〜3年 | 月1回程度 |
| マウスピース矯正 | 1〜3年 | 1〜3ヶ月に1回 |
| 外科的矯正治療 | 2〜3年(術前矯正+手術+術後矯正) | 月1〜2回 |
| 保定期間(全治療法共通) | 1〜2年 | 3〜6ヶ月に1回 |
◆ 子どものしゃくれ矯正と大人のしゃくれ矯正の違い
しゃくれの矯正治療は、開始時期によってアプローチが大きく異なります。
子どものしゃくれ矯正
子どもの場合、顎の骨がまだ成長途中であるため、骨格の成長をコントロールしながら治療を進めることができます。
治療開始の推奨時期
| 時期 | 年齢の目安 | 治療内容 |
|---|---|---|
| 早期治療 | 3〜5歳 | ムーシールド(マウスピース型装置)で噛み合わせを改善 |
| 第1期治療 | 6〜10歳頃 | 上顎の成長促進装置、チンキャップなどで骨格を誘導 |
| 第2期治療 | 11〜15歳頃 | ワイヤー矯正やマウスピース矯正で歯並びを整える |
子どもの矯正のメリット
-
顎の成長を利用できるため、外科手術を回避できる可能性が高い
-
骨格の発育を正しい方向へ導ける
-
永久歯の生え変わりに合わせた治療が可能
-
費用が大人の矯正より抑えられるケースが多い(第1期:15万〜50万円)
大人のしゃくれ矯正
大人は顎の骨の成長が完了しているため、骨格自体を変えることは矯正治療単独では困難です。
-
歯性の受け口:ワイヤー矯正やマウスピース矯正で改善可能
-
骨格性のしゃくれ:外科的矯正治療(顎矯正手術+矯正治療)が必要になるケースが多い
-
年齢の上限はなく、健康な歯と歯周組織があれば何歳でも治療可能
子どもと大人の比較表
| 比較項目 | 子どもの矯正 | 大人の矯正 |
|---|---|---|
| 骨格へのアプローチ | 成長を利用して改善可能 | 外科手術が必要な場合が多い |
| 治療の選択肢 | 成長誘導装置+矯正 | 矯正治療 or 外科矯正 |
| 費用目安 | 15万〜80万円 | 60万〜250万円 |
| 治療期間 | 1〜5年(第1期+第2期) | 1〜3年 |
| 外科手術の回避 | 早期治療で可能性あり | 骨格性の場合は必要になることが多い |
| 痛み・負担 | 比較的少ない | 外科手術を伴う場合は大きい |
◆ しゃくれ矯正で横顔はどう変わる?Eラインの改善効果
しゃくれの矯正治療では、噛み合わせの改善に加えて横顔(プロファイル)の劇的な変化が期待できます。
Eラインとは
Eライン(エステティックライン)とは、鼻先と顎先を結んだ直線のことです。日本人の理想的な横顔の基準として、上唇がEライン上に、下唇がEラインの内側またはライン上に位置するのが美しいとされています。
しゃくれの場合、下顎が前方に突出しているため、顎先がEラインから大きく逸脱し、横顔のバランスが崩れてしまいます。
矯正治療による横顔の変化
歯性の受け口を矯正した場合
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下の前歯が後退し、口元が引き締まる
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下唇の突出感が軽減される
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顎のラインがすっきりする
外科矯正(骨格性のしゃくれ)の場合
-
下顎骨自体が後方に移動するため、顔貌が劇的に変化
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正面からの顔の輪郭も整う
-
フェイスラインが引き締まり、若々しい印象に
しゃくれ矯正で期待できる変化まとめ
| 変化のポイント | 改善の程度 |
|---|---|
| Eラインの改善 | 下顎の後退により大幅に改善 |
| 横顔のバランス | 鼻・唇・顎の調和が取れる |
| フェイスライン | すっきりとしたラインに |
| 口元の印象 | 突出感が軽減し、自然な口元に |
| 笑顔のバランス | 上下の歯の見え方が改善 |
| 顔全体の印象 | 若々しく、バランスの取れた印象に |

◆ しゃくれ矯正のセルフチェックリスト
以下の項目に当てはまる方は、しゃくれ(下顎前突)の可能性があります。当てはまる項目が多い場合は、矯正歯科での精密検査をおすすめします。
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横顔を見ると下あごが前に出ている
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上下の前歯を噛み合わせると、下の歯が上の歯より前にある
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「サ行」「タ行」の発音がしにくい
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食べ物を前歯で噛み切りにくい
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家族にしゃくれ・受け口の人がいる
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口を閉じたとき、下唇が上唇より前に出ている
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笑ったとき、下の歯が目立つ
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奥歯では噛めるが、前歯が噛み合わない
◆ よくある質問(FAQ)
Q1. しゃくれは自力で治せますか?
いいえ、しゃくれを自力で治すことはできません。インターネット上には「舌の位置を変えるトレーニング」「割り箸エクササイズ」などの情報がありますが、骨格や歯並びの問題を自力で改善することは医学的に不可能です。舌癖や口呼吸の改善は予防や補助的な効果として期待できますが、根本的な治療には矯正歯科での専門的な治療が必要です。
Q2. しゃくれの矯正に保険は適用されますか?
「顎変形症」と正式に診断された場合に限り、健康保険が適用されます。ただし、厚生労働省が指定する「顎口腔機能診断施設」で矯正治療を受け、連携する指定医療機関で外科手術を行うことが条件です。保険適用の場合、3割負担で30万〜50万円程度が目安です。通常の歯列矯正(マウスピース矯正や裏側矯正)は保険適用外となります。
Q3. マウスピース矯正(インビザライン)でしゃくれは治りますか?
歯性の受け口(反対咬合)で軽度〜中等度であれば、マウスピース矯正で改善できるケースが増えています。ただし、骨格性のしゃくれ(下顎前突症)が強い場合は、マウスピース矯正単独での改善は困難です。精密検査で歯性か骨格性かを正確に診断した上で、適切な治療法を選択する必要があります。
Q4. しゃくれの矯正治療は何歳から始められますか?
受け口の兆候がある場合、3歳頃からムーシールドなどの早期治療装置で対応可能です。本格的な矯正治療は6〜8歳頃(第1期治療)から開始できます。大人の場合は年齢の上限はなく、歯と歯周組織が健康であれば何歳からでも治療を始められます。ただし、子どものうちに治療を開始すると、骨格の成長を利用できるため外科手術を回避できる可能性が高くなります。
Q5. しゃくれの矯正治療中、痛みはありますか?
矯正治療では、装置の調整後や新しいマウスピースに交換した直後に数日間の痛み・違和感が生じることがあります。通常は鎮痛剤で対応できるレベルです。外科手術を伴う場合は、術後1〜2週間程度の腫れや痛みがありますが、入院中に適切な疼痛管理が行われます。
Q6. しゃくれを放置するとどうなりますか?
しゃくれ(受け口)を放置すると、以下のリスクが生じます。
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噛み合わせの悪化:前歯で食べ物を噛み切れず、消化不良の原因に
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顎関節症のリスク:噛み合わせの不良が顎関節に負担をかける
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発音障害:サ行・タ行の発音が不明瞭になる
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歯の異常摩耗:噛み合わせのズレにより特定の歯に過度な力がかかる
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コンプレックスによる心理的影響:見た目の悩みが自信の低下につながる
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骨格性の場合、加齢とともに悪化する可能性がある
Q7. 矯正治療後に後戻りすることはありますか?
矯正治療後は「保定期間」として、リテーナー(保定装置)を一定期間装着する必要があります。保定装置を指示通り使用すれば、後戻りのリスクは大幅に抑えられます。一般的に1〜2年の保定期間が推奨されますが、長期的な安定のため就寝時のみ継続される方も多くいらっしゃいます。
Q8. しゃくれ矯正で失敗しないためのポイントは?
以下の点を重視して医院を選びましょう。
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矯正治療の実績が豊富な矯正歯科を選ぶ
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**精密検査(セファロ分析・CT撮影)**を行っている医院を選ぶ
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複数の治療法を提案でき、外科矯正にも対応できる体制がある
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無料カウンセリングで十分に説明を受け、納得した上で治療を開始する
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術後の保定管理やアフターケアがしっかりしている

◆ BF銀座歯科・矯正歯科のしゃくれ矯正治療
BF銀座歯科・矯正歯科では、しゃくれ(下顎前突)・受け口でお悩みの患者さまに、精密検査に基づいたオーダーメイドの治療計画をご提供しています。
当院が選ばれる理由
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銀座駅から徒歩圏内の好アクセス
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【監修者コメント】小池凌馬 院長
しゃくれや受け口は、放置すると噛み合わせの悪化や顎関節への負担など、さまざまな問題を引き起こします。しかし、適切な時期に適切な治療を行えば、機能的にも審美的にも大きな改善が見込めます。当院では「歯並びだけでなく、横顔の美しさまで考慮した治療」を心がけており、患者さまお一人おひとりのゴールに合わせた治療をご提供しています。少しでも気になることがあれば、お気軽にご相談ください。
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◆ 監修者情報
小池 凌馬(こいけ りょうま)
BF銀座歯科・矯正歯科 院長/医療法人清翔会 理事長
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広島大学歯学部 卒業
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日本顎咬合学会 認定医
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インビザライン「レッドダイヤモンド・プロバイダー」認定
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矯正治療実績 30,000件以上
「すべての患者さまに、自信を持って笑える歯並びと美しい横顔を」をモットーに、最新の矯正技術と豊富な経験で、一人ひとりに最適な治療をご提供しています。
